オーストラリアの外科病棟で働く看護師の1日

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こんにちは、オーストラリアのブリスベン在住、看護師ママのMakiです。

突然ですが、「オーストラリアの看護師ってどんな働き方してるんだろう?」って気になりませんか?

今回は、オーストラリアのごく一般的な外科系病棟看護師の勤務のある1日を紹介したいと思います。

勤務体系

勤務の流れの前に、ます勤務体系を紹介します。私が働く病院では、一般病棟の多くは3交代制です。モーニング、アフタヌーン、ナイトシフトがあり、看護師は自分の契約時間に準じてシフトが割り当てられます。

オーストラリアでは看護師は時給制で、フルタイム、パートタイム、カジュアルという3種類の働き方の選択肢があります。フルタイムとパートタイムは勤務時間の違いだけで福利厚生もほとんど変わらないです。カジュアルナースは特定の病棟に属さないフリーの看護師で、さまざまな病棟でシフトを選んで働くことができます。シフトが前もって確約されない不安定さの代わりに、時給はフルタイムやパートタイムに比べて高いです。このカジュアルナースがいるおかげで、急な病欠などの欠員をカバーする仕組みができています。

モーニングシフトがある1日の流れ

  • 6:30 出勤・申し送り

モーニングシフトがある日は5時起きです。家族を起こしてしまわないよう身支度を急いで済ませます。オーストラリアの看護師は制服で出勤するので、病院支給のスクラブなどに着替えます。

職員は車通勤が基本です。職員用駐車場が完備されていますが、出勤時はいつも混み合います。医師や病院のexecutive(偉い人たち)は専用駐車場があります。

申し送りは、勤務開始時間から始まります。日本では情報収集のために早く出勤する看護師さんが多いですよね。日本の前残業はオーストラリアには存在しません。(でも早く来てコーヒー飲みながらおしゃべりしてるナースは結構いる)勤務開始時間にフロアに現れるナースも多いです。

出勤したらまず、ホワイトボードで自分の受け持つ患者とその日ペアになるナースを確認します。クイーンズランドの公立病院では看護師対患者数が1:4なので、2人のナースで最大8人を受け持ちます。申し送りが始まる前にざっとその日の受け持ち患者のカルテをチェックして、夜勤帯での業務のやり残しがないか見ます。

カルテチェックが終わったら、申し送り開始です。申し送りは基本的にベッドサイドで、患者さん自身も自分の申し送りに参加できるよう促しながら行われます。「勤務交代の時間だから申し送りしたけど、質問や付け加えたいことはない?」といったように、患者さんに声かけします。もちろん、認知症や術後せん妄などのある患者さんへは臨機応変に対応します。

申し送り用紙には、患者の基本情報である【 氏名・年齢・感染症・既往歴・疾患名・術式・術後日数・リハビリの進捗 】などが印刷されています。申し送り時には、特記すべき事を書き加えるだけです。

  • 7:00 与薬・朝食

申し送りが終わったら、業務開始です。

まずシフトプランナー(予定表)に患者ごとの予定を書き込みます。この時点で7時近いので、8時予定の内服薬の投与や点滴なども準備していきます。オーストラリアの病棟では基本的に麻薬などを除く内服薬は患者の床頭台の中に鍵をかけて保管します。パッケージごと入っていたり、シートのまま入っているので、カルテを見ながらお薬用のカップにひとつずつ出して与薬していきます。(日本ではお薬カートにセットされているものをあげたりしていたので最初は戸惑いましたが、慣れます)

与薬をしていると朝食が運ばれてくるので、セッティングも行います。移乗や食事介助が必要な場合は、ナーシングアシスタント(看護助手)が手伝ってくれます。ここで余裕があればシャワー介助やベッドメイキングも行います。

  • 8:00 麻薬ラウンド

オーストラリアではオピオイド系を骨折後の患者さんにもガンガン使うので、通常の内服薬を配り終えたら麻薬ラウンドがあります。日本の整形外科で働いていたときとは大きく違う点かもしれません。

点滴を含む薬剤は全て病棟内のMedication Roomに保管してあり、職員用のカードキーをスワイプしないと入れません。麻薬を管理している金庫はさらに厳重で、職員2人がカードキーをスワイプしないと開かない仕組みになっています。麻薬は各勤務交代時にリーダーナースが2人で全てカウントします。

  • 9:00 モーニングティー

与薬が全て済んで、業務が立て込んでなければ休憩に入ります。モーニングティーと呼ばれる15分休憩にペアのナースと交代で行きます。職員用のTea Room(休憩室)にはキッチンが併設されていて、牛乳や食パン、ティーバッグなどが用意されています。

  • 9:20 業務再開

休憩から戻ってきたら業務再開です。

シャワー介助やベッドメイキングの他に、手術の送り出しや輸血、MRIやレントゲンといった検査付き添いもあります

私の働く整形外科病棟では平日休日関係なく毎日手術があります。手術に出棟した患者さんはRecovery(術後観察病棟)を経て病棟に直接帰室するため、手術出棟後はベッドサイドにバイタル測定のモニターを設置します。Telemetry(心電図モニター)は使用しませんので、重篤な心疾患の既往があってTelemetryが必要な患者さんはICUなどの他病棟に入院しています。

午前中はチームの回診があります。治療内容が更新されるため、チームとリーダーナースと連携を取りながら最新の情報を共有します

私の働く病棟には2種類の医師チームがあり、Orthopaedic Surgeon(整形外科医)とOrthopaedic Geriatrician(整形外科老人病専門医)です。整形外科医は基本的に手術のみを行い、患者の病棟管理に関してはGeriatricianが全てを担います。Geriatricianは入院から退院までの手術以外の治療を全て行うので、患者に関する報告は全てGeriatricianにします。(日本で看護師として働いていた時は、整形外科医が外来から手術、病棟管理まで全て行うのが基本でした)

  • 12:00 ランチブレイク

12時ごろから30分の昼休憩をペアのナースと交代で取ります。同僚と仕事やプライベートについて話をしながら取ります。Youtubeを見たり、電話していたりするナースもいます。(インド系っていつも誰かと電話しているのは私の周りだけなんだろうか)

  • 12:30 業務再開

昼休憩から戻ってきたら業務再開です。残っている業務を片付けつつ、Progress note(看護記録)も終わらせます。シフトプランナーでやり残した業務がないかも確認します。

  • 14:30 申し送り

アフタヌーンシフトのスタッフたちが出勤してくるので、申し送りをします。

  • 15:00 退勤

申し送りが終わればすぐ退勤します。残業は絶対にないです。業務が途中で終わってないもの(入院患者の書類や途中の輸血)などは引き継ぎされていれば問題ありません。

オーストラリアではスクールのお迎えが15時なので、ママさんナースたちは我先にと申し送りを終えて退勤していきます。(笑)

日本にいた時は職場の同僚と日勤終わりによく会食に行ったりしていましたが、オーストラリアではあまりないです。

まとめ

モーニングシフトは朝はめちゃくちゃ早いですが、業務量が多いためあっという間に終わります。そして仕事が終わる時間も早いので、家に帰ってゆっくり家族と過ごすことができるのもメリットのひとつです。

日本の整形外科病棟で働いていた時は残業が多く業務も忙しかったですが、オーストラリアは残業ゼロで業務にゆとりがあります。もちろん看護師対患者数の違いもありますが、個人的には看護の質を担保するために人員配置が工夫されている点(カジュアルナースや派遣看護師の活用)が大きいと考えます

以上がオーストラリアの外科系一般病棟で働くナースの1日の流れです。

オーストラリアの病棟看護師のリアルな働き方が気になる、という方の参考になれば嬉しいです。

Have a nice one!

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