こんにちは、オーストラリアのブリスベン在住、看護師ママのMakiです。
私は2016年にオーストラリアに留学をして、2022年に永住権を取得しました。
永住権を含むビザの発給に関しては、社会情勢はもちろん、時に運にも大きく左右されます。特に最近は、コロナによるパンデミック、歴史的な円安、オーストラリアでは学生ビザが降りづらくなったりするなど、予想外のことだらけです。
今回は、そういった社会情勢に揉まれつつ、私がオーストラリアの永住権を取得するまでの経緯を話していこうと思います。
オーストラリアの永住権を取るまでに必要だったこと、海外移住を決めたきっかけなどに触れていきます。海外移住を考えている方や、オーストラリアの永住権を取ろうとしている方の参考になると嬉しいです。
オーストラリアに留学を決めた理由
当時の私は看護師として急性期病院で働きはじめて3年目、将来のキャリアについて悩んでいました。そのキャリアアップの一つの選択肢として「大学院で公衆衛生を学ぶ」ことを思いつきました。
(浅はかな)私は、
「どうせ大学院で勉強するなら留学したら英語もできるようになるし、一石二鳥だわ!」
と考え、留学を決めました。留学するきっかけなんてこんなものです。(笑)一石二鳥どころか、のちにとんでもない苦労をすることになるのですが。
では留学するにしてもどこの国に行くか?アメリカやイギリスも頭に浮かびましたが、私は身近な人にアドバイスを求めることにしました。
実は私の妹はオーストラリアに留学経験があり、オーストラリアで大学を卒業して日本で働いていました。
「オーストラリアいいよ。特にブリスベンは気候もいいし人ものんびりしてて最高。私はシドニーも行ったけど、留学するなら断然ブリスベンがおすすめ。」
という妹の言葉だけでオーストラリアのブリスベンに留学することを決めました。
大学はブリスベンにある2つの大きな大学から1つを選ぶだけだったので、妹の「実践的なことを学ぶならこっちの大学の方がいいんじゃない?」というアドバイスのもと、すぐ決まりました。
そしてオーストラリアに留学する前に、まずは英語力を伸ばすためにフィリピンへ語学留学に行きました。文字通り朝から晩まで英語漬けになり、IELTS6.0を取得しました。
半年後にフィリピンから日本へ戻り、大学の出願を済ませ、学生ビザと住むところを手配してオーストラリアに2016年9月に来ました。
進路変更と大学卒業
あれ?オーストラリアで公衆衛生勉強したら看護師になれるの?と思った方。
正解です、なれません。実は私はオーストラリアに着いてすぐに進路変更をしています。
理由は唐突に「オーストラリアで看護師をしてみたくなったから」です。シンプルすぎます。それでも、自分の直感に従って挑戦してみたくなったのでしょうがないです。
大学院留学に使う予定だった学費を看護資格取得のためにフルベットすることに決めたあとは、大学に行くか看護師免許の書き換えをするかの二択でした。
当時はブリッジングコースと呼ばれる、自国での看護師経験がある外国人に向けた3ヶ月の病院実習がありました。この病院実習とIELTS7.0レベルの英語力を証明できればオーストラリアで看護師登録できるという仕組みです。
私はこの時点でIELTS6.0レベルしかなく、運よく実習先を見つけられたとしても数ヶ月で看護師登録は不可能だなと思いました。正確に言えば不可能ではないですが、短期間で就職先まで探さなければならないため相当大変です。
幸いなことに資金力は問題なかったので、実習に行きながら現場で医療英語も学べて、必要な医療知識を英語で学び直すいい機会だとも思ったので、結果的に大学進学を選びました。
結果的にこの選択は正しかったです。看護師として永住権を自力で取得するには、オーストラリアで大学卒業をしているとかなり有利だからです。
大学の後半では、老人ホームでアシスタントナースの仕事を見つけることができたのでそこでアルバイトも始めました。
ここでアシスタントナースの仕事を始めていたことも、永住権取得のための必要なステップの一つでした。なぜなら正看護師になったときにすぐに就職できてオーストラリアでの職歴を早く積むことができるからです。
しかし大学は無事に卒業できたのですが、ここにきて英語でつまずいてしまいました。オーストラリアで看護師になるためには絶対に逃げることができないIELTS7.0の壁です。オーストラリアに来て初めての挫折だったかもしれません。
「大学を卒業したのに、看護師になれない…」
英語の勉強だけするのは心が折れましたし、スコアが低いと自己肯定感も下がります。今考えると忘れ去りたい暗黒の数ヶ月でしたが、結局私はPTEを数回受けてスコアメイクすることができました。終わってしまえば、「まぁ人生の糧にはなった、笑い話の一つにでもするか!」といつものポジティブさを取り戻せたので結果オーライです。
オーストラリアで看護師として働き始めるが…
いよいよオーストラリアで看護師登録も済ませ、晴れて正看護師(Registered Nurse)として働き始めました。
病院への就活も一応はしたのですが、ブリスベン周辺の病院は絶望的でした。応募しても返事が来ればいい方で、大体は返ってきませんでした。海外で看護師経験があると、ブリスベンの公立病院での新卒採用はしてもらえないので(そもそも病院の新卒採用はネイティブでも落ちるくらい激戦)、選択肢は少なかったですが。自国で看護師の経験があっても病院就職が難しいということに少しびっくりしました。
そこでアルバイトをしていた老人ホームに正看護師として雇ってもらえないか交渉してみることにしました。二つ返事でOKとのことだったので、日本に一時帰国してホリデーを楽しんでから働き始めようと決めました。
2020年2月に日本に一時帰国をして、ゆっくりと家族と過ごしていたときです。オーストラリアで国境が閉鎖されるかもしれないというニュースが流れてきました。コロナウイルスが世界的に大流行の兆しを見せていたためです。
慌ててホリデーを少し早く切り上げてオーストラリアに戻ってきたのが3月上旬、国境閉鎖の1週間前の出来事でした。それから日本にいる家族と2年間も会えなくなるとは思ってもみなかったので、家族と会える時間は当たり前じゃないんだと改めて気付かされました。
それから老人ホームで看護師として働き始めてすぐ、ブリスベンは厳しいロックダウンに入りました。最低限の日用品の買物以外は外出禁止、エッセンシャルワーカー以外の出勤停止、行動制限やソーシャルディスタンスの徹底などがありました。
看護師はエッセンシャルワーカーなので出勤時に外を出歩くことが許されていましたが、人がいなくなったブリスベンの街の異様な光景は今でもはっきり覚えています。
そんなコロナ禍でも、外国人看護師としてオーストラリアで働くメリットが2つありました。
1つは貯金がめちゃくちゃ捗ることです。旅行や買い物もできないので、銀行口座にどんどんお金が貯まっていきました。いつか国境が開いたら日本に一時帰国したり海外旅行をする資金にしようと思うと仕事も頑張れました。
もう1つは永住権取得に必要なオーストラリアでの看護師としての職歴が積めたことです。日本での職歴ももちろん大切なのですが、永住権を取得するにはオーストラリアの職歴も必要になってきます。
病院就職と永住権取得
コロナもいよいよ落ち着いてきた頃、1つ大きな問題が残されていました。それは永住ビザがいまだに降りてないことでした。
ビザは外国に旅行や滞在する際に必ず必要なものです。ビザがなければどんなに必要な人材でもその国にいることは許されません。
当時は卒業生ビザ(485)が2年間有効だったのですが、そのビザも切れてしまうため新たなビザを申請しなければいけませんでした。正確にいうと、技術独立永住ビザ(189)とスポンサー付き技術永住ビザ(190)をすでに申請していたのですが、招待されていない状態でした。189と190は、他のビザと違って政府から招待がなければ最終的な永住権申請ができません。
そのときラッキーなことに、オーストラリア政府がコロナ禍にNew Temporary Activity(408)という通称コロナビザを発給していたので、それを申請してビザを繋ぐことができました。
しかしこのコロナビザも1年で切れてしまう、早く永住権を取得しなければいけないと焦っていました。(正直、看護師としてコロナ禍でも貢献したんだから永住権くらい早くよこせ、くらいには思っていました)
そして当時の私には自力で永住権を取得する以外に2つ選択肢がありました。
1つは働いている老人ホームで永住権をスポンサーをしてもらう方法。もう1つは当時付き合っていた彼にパートナービザをスポンサーしてもらう方法。自力で永住権が取得できない時に備えてプランCまでしっかり準備していました。(笑)
しかし、老人ホームで働くのに飽きてしまった私は永住権をスポンサーしてもらう権利を自分から手放してしまいました。病院で働いてみたいという思いが強くなったためです。結局就活をして2つの病院からオファーをいただくことができました。
コロナ直後ということもあり、病院が看護師不足だったことやオーストラリアで看護師として働いた経験が2つの病院からオファーをもらえた要因だと思います。そうでなければ永住権を持っていない当時の私にはチャンスがなかったかもしれません。
病院で看護師として働き始めて半年経った頃です。いよいよあと半年でコロナビザも切れてしまう、パートナーに「ビザが切れたら日本に帰らないといけないから、そのときまでに永住権取れなかったらパートナービザ申請しかないから」と半分脅していたときです。(笑)
ビザエージェントから突然「永住権(189)降りたよ!おめでとう!」と夜中にメールが届きました。夜中だったので寝ている彼を叩き起こして報告したことを覚えています。クリスマスの5日前のことで、私にとっては少し早いクリスマスプレゼントになりました。
SOLというビザエージェントさんには大変お世話になったので、感謝してもしきれません。本当にありがとうございました。勝手に宣伝しちゃいます。ブリスベンを拠点にされているビザエージェントさんで、日本人スタッフも常駐されています。
まとめ
少し長くなってしまいましたが、以上が私のオーストラリアに留学したきっかけと永住権取得までの道のりでした。
ビザに関しては素人なのでアドバイスできかねますが、永住権取得のためにはきちんとしたビザエージェントと契約して彼らのアドバイスに従うことを強くおすすめします。
私のようにコロナのようなピンチがチャンスに変わることもあるので、オーストラリアに限らず永住権を目指す方には諦めずに突き進んでいって欲しいです。
オーストラリアで永住権を取得したい方や永住権のことを知りたいといった方の参考になれば嬉しいです。
Have a nice one!
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