こんにちは、オーストラリアのブリスベン在住、看護師ママのMakiです。
今回はみんなが気になる(笑)オーストラリアの看護師のお給料がテーマです。
私自身、オーストラリアで看護師をしていてお給料を頂いていますが、ついつい日本で働いていたときと比べてしまいます。日本とオーストラリアの看護師の仕事内容が一緒だからこそ、余計に差が気になってしまうのかもしれません。
「オーストラリアに来て初めて給与明細をもらったけど読み方がわからない…」といったワーホリや学生の方から、「オーストラリアの看護師の給与明細を覗いてみたい!」という方まで、(笑)簡単ではありますが本物の給与明細を例に解説をしています。参考になると嬉しいです。
オーストラリアの看護師は時給制
オーストラリアの看護師は経験年数や取得した学位、役職によって時給が大きく変わってきます。私が勤めるクイーンズランド州の公立病院ではRegistered Nurse (正看護師:通称RN)は新卒から1年ごとに時給が徐々に上がり、8年目以降は変わりません。
RNが時給を上げたい場合、大学院で勉強して学位を取得したり、Clinical Nurse(専門看護師:通称CN)になることが必要です。Nurse Unit Manager(看護師長:通称NUM)はこのRNとCNをまとめる責任ある立場なので、お給料はさらに上がります。Nurse NavigatorやNurse Practitionerなどの、より高度なスキルと知識を持った人たちはさらに高給です。
私は正看護師ですが、つい先日大学院の1年のコースを修了したので、今度からお給料が少し上がる予定です。(やったー)
オーストラリアで働く看護師のお給料
ズバリ結論から言うと、現在の私の時給は53ドル(日本円で5300円ほど)で、年収は10万ドル(1000万円ほど)です。(1豪ドル=100円で計算)もちろん日本での経験も加味されているので、看護師歴10年目のお給料はだいたいこんな感じです。
「え、時給と年収を言っちゃってもいいの?」と思われたかもしれませんが、大丈夫です。(笑)
私の職場であるクイーンズランド州の公立病院の看護師の時給や年収は全て公開されているため、「qld health nurse wages」と検索すれば誰でも見れます。
しかし、時給が高くてもオーストラリアの看護師にはボーナスがないんです。逆に言えば、ボーナスがなくてもこれだけの金額がもらえるということです。
ボーナスはないですが、オーストラリアにも各種手当は存在します。日本では手当と言いますが、オーストラリアではPenaltyと呼ばれます。Penaltyは時給に上乗せする形になります。アフタヌーン15%、ナイト17.5%、土曜日50%、日曜日100%となっています。休日はなんと最高150%です。これらのPenaltyがあるおかげで、日曜日や休日のシフトは人気があって病欠をとる人はあまりいません。
日本でも看護師は手当がないと一般的に給料が低くなってしまうイメージですが、オーストラリアでも同じことが言えます。
給与明細を見てみよう
オーストラリアでは給与明細をPayslipと言います。Payslipは2週間ごとの給料日ごとに会社からもらいます。
「英語で書いてある給与明細の読み方なんてわからない…」という方も多いと思いますので、実際の給与明細を例に説明していきたいと思います。
もちろん個人情報などは伏せてありますが、私の本物の給与明細になります。
まず、基本給は①の「時給x実際に働いた時間数」です。私はFortnight(2週間)で64時間勤務という契約のパートタイムですが、同僚の中にはフルタイムや私よりも少ない時間のパートタイムの方ももちろんいます。時給が51ドルとなっているのはこの給与明細が去年のものだからです。(現在は53ドル)
各種手当は上記で説明しましたが、ここでは日曜日手当について例を見てみます。②にあるように、日曜日は100%の時給が上乗せされています。なので日曜日手当だけで830ドルも稼いだことになっています。お給料が倍になると思うだけで仕事にも気合が入りますね。
基本給と各種手当を合算したものが③のGross Pay(額面上の給料)となります。ここから④のDeductionsと呼ばれるSuperannuation(年金:通称スーパー)などの各種税金が引かれます。オーストラリアは税金がものすごく高いのでごっそり持っていかれます。税率は居住者や非居住者、年収によっても大きく変わってくるので気になる方は調べてみてください。
スーパー(年金)はオーストラリアで働く18歳以上の労働者は雇用形態に関わらず(フルタイム、パートタイム、カジュアル全員)、雇用主から必ず全員に支払われます。雇用主は給料の11.5%をスーパーとして支払わなければならないと法律で決まっています。(2024年現在)
万が一、雇用主がスーパーを支払ってくれない、などのトラブルがあった場合はFair Work Ombudsman(通称フェアワーク、日本の労基に相当するところ)に必ず通報しましょう。
最終的に自分がもらえるお給料のことをNet Income(手取り)と呼びます。⑤にあるように、私のこの2週間の手取りは2850ドル(日本円で28万円くらい)ということになります。
給料は高いが物価も高い
オーストラリアの看護師は確かに稼げます。オーストラリアの2024年現在の平均年収は約9万ドル(日本円で900万円ほど)と言われていて、看護師の年収は平均かもしくはそれ以上となっています。日本で働いていた時の年収から比べると、格段に稼げるようになったのは言うまでもありません。
「じゃあオーストラリアで豊かな暮らしができるか?」と聞かれると簡単にYesとは言えないでしょう。
そもそもオーストラリアは世界的にみても平均給与が高いことで有名ですが、物価も高いです。日用品や外食が高いことはもちろん、家賃もとても高額です。家を購入しローンを支払っている人はもっと大変で、なぜなら6.28%という高金利だからです。(トイチかよってくらい法外ですよね)
つまりきちんと稼いでいても、お給料が生活費にほとんど消えていってしまうということもありえます。(もちろんめちゃくちゃ稼いで豊かに暮らしている人もいます)
しかし、手当がつかない平日昼間のみの看護師の仕事ではこれだけ稼ぐことは難しかったり、最近はさらなる物価高の影響もあり、体感としてはすごく稼いでいるとは思えないのが現状です。
まとめ
オーストラリアの看護師のお給料について、日本とオーストラリアの手当の違いなどもあって面白い内容だったのではないかと思います。
「オーストラリアで看護師してると稼げるんでしょう?」と聞かれることもありますが、個人的には人命を預かる医療専門職でシフトワークで体力も削ってるんだからもっと貰わないと割に合わない、と思っています。(頼む、Nursing Unionもっと頑張ってくれ…!)
オーストラリアで働く方や、これからオーストラリアで看護師を目指したい方の参考になれば嬉しいです。
Have a nice one!
コメント